【思い出すあの頃】おすすめ青春小説12選!

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Kohji AsakawaによるPixabayからの画像

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 みなさんこんにちは、らくとです。

 みなさん、「青春」ときくと、何が思い浮かびますか?
 やはり一番は学校の風景でしょうか。校庭や体育館、教室・・・場所とともに、仲間と一緒に過ごした思い出がよみがえって来ますよね。
 部活に打ち込んでいた人は部室や試合のコートかもしれませんし、恋愛をしていた人は、その相手やその人と一緒にいった場所かもしれません。
 私は、一般的に青春と呼ばれる時期はもう過ぎてしまいました。そして正直、学生時代の私は、友達はいましたが、クラスでも隅っこにいるタイプで、恋愛とも全然縁がなく、その当時は「私の青春なんてこんなもんかー」とか思ってふて腐れていました笑。けれど、今「青春」と聞くと、やはり思い浮かんで来る光景というのはあるんですね。友達と下校時間ギリギリまでどうでもいいことで話し込んだこととか、みんなで思い思いに過ごす休み時間の雑多さとか、当時「こんなもんか」と思っていたものが、すごく懐かしく、そして輝かしく感じられるんですね。「青春」って、そういう力があると思います。
 一つ思うのは、青春というのは、その只中にいるときには意外とそれが青春だとは気付かないものだということ。二度と戻れなくなって初めて、その尊さに気付く・・・そういうものだと思います。

 前置きで長く語ってしまいましたが、とにかく、この記事では、そんな「青春」のきらめきを私たちに思い出させてくれる、私おすすめの青春小説を紹介したいと思います。

 ちなみに、ここで紹介するのは「青春小説」のみとなっております。というのは、青春とミステリーをかけあわせた「青春ミステリー」も入れるかどうか迷ったのですが、個人的にはそれは別のジャンルかなと思うので、そちらはそちらでまた個別に紹介する記事を書こうかな、と思っています。

おすすめ青春小説12選!

 では、早速紹介していきます。

永遠の出口:森絵都

 まず紹介するのは、森絵都さんの「永遠の出口」です。

 誕生会をめぐる小さな事件。恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんに砕け散った高校での初恋・・・。どこにでもいる普通の少女、紀子の小学三年生から高校三年生までの九年間を描いたベストセラー

 小学三年生から高校三年生という、一人の女の子の多感な年月を、その頃の時代背景もほんのりと漂わせながら見事に描いています

 この作品の良さはなんといっても等身大だということ。みんなとは言わないまでも、この年頃の女の子の多くが通るであろう道や、抱くであろう気持ちを、変にロマンチックだったりキラキラさせたりせず、飾らずに明るく描いています。きっと多くの女の子が、「自分もこんな時期あったなあ」と思い当たるところがあり、そしてそこから、自身の青春時代が懐かしさとともに記憶の底からふわっとよみがえってくるのではないでしょうか。

 様々なことを経験し、未熟なゆえときには暴走しながらもそれを乗り越えて成長していく紀子の姿に、かつての(もしくは今の)自分を重ね合わせる人も多いはず。恋愛、友情、家族・・・大事なものがぎゅっと詰まった9年間は、きっと人生の中でもかなり濃い時間でしょう。特に女の子におすすめです。

葡萄が目にしみる:林真理子

 次に紹介するのは、林真理子さんの「葡萄が目にしみる」です。

 葡萄作りの町で育った岡崎乃里子。冴えない容姿にコンプレックスを抱いていたが、地元で有名な共学の進学校に通えばきっと、自分にもきらびやかな青春が待っていると信じていた。思春期の少女のすべてが詰まった青春小説。

 こちらもぜひ女の子に読んでほしい青春小説です。葡萄の有名な町で育った乃里子の青春は、彼女が夢見ていたほどきらびやかではなかったかもしれませんが、振り返ってみれば、そこにあったのは、確かな青春ときに甘く、ときに苦くて切ない、そんなかけがえのない日々が大切に綴られています。

 近いようで遠い東京への憧れや、自身の容姿に対するコンプレックス。高校の先輩への淡い恋心や、好きではないのに意識してしまう同級生の男の子。子どもから大人になっていく周りと、そして、自分自身・・・。今、もしくはかつて「女の子」だった人ならきっと共感できるであろう、思春期の少女の繊細で複雑な心情を、見事に描いています。あの頃の男女の距離感とか、周りからの目が気になる感じ、周りが大人びていくことへの戸惑い・・・ああ懐かしいなあ、と思いながら読みました。

 自分の青春はそれほど華々しくなかった・・・そう思っている人ほど読んでほしい一冊です。

階段途中のビッグノイズ:越谷オサム

 次に紹介するのは、越谷オサムさんの「階段途中のビッグノイズ」です。

 軽音部の廃部を取り消せ!優柔不断が玉にキズの神山啓人は、猪突猛進型幽霊部員の九十九伸太郎に引きずられて行動を開始する。目指すは文化祭での一発ドカン!のはずが・・・。次々に立ちはだかる壁を乗り越えて、啓人達は見事にロックンロールできるのか?

 こちらは、部活系の青春小説です。もう表紙の背中から、「青春!」っていう感じが伝わって来ますよね。

 このままでは廃部になってしまう軽音部を弱小部員たちが救うという、王道の青春ストーリー。しかも、そのゴール地点が文化祭というのも、また学生ならではという感じで、よかったです。とにかく底抜けに明るくて、会話や展開もコミカルでテンポ良く、わくわくしながら読みました。好きなものがあって、決して簡単ではない目標があって、それを一緒に目指す仲間がいて、無心でそれに打ち込む主人公たちの姿はとても眩しくて、こちらは読んでいるだけなのに、青春の輝きを少しお裾分けしてもらったように気持ちが爽やかに明るくなる小説です。

 弾けるように明るく騒がしい王道の部活×青春ストーリーを求めている人は、ぜひ。

オーダーメイド殺人クラブ:辻村深月

 次に紹介するのは、辻村深月さんの「オーダーメイド殺人クラブ」です。

 「私を殺してほしいの」中学二年生の美少女・小林アンは、同じクラスの「昆虫系」男子・徳川にそう依頼する。二人は被害者と加害者として「特別な存在」となる計画を着々と進めるが・・・。

 こちらは、青春のダークな一面を描いた、少し変わった青春小説となっています。

 青春というと爽やかで明るいイメージですが、実際の青春は常に明るいとは限りません。自分がどういう人間なのか考えはじめるこの時期の少年少女は繊細で傷つきやすく、心の中には常に複雑な感情が渦巻いています。それがエスカレートすると、ひねくれたり、良からぬ方向へ思考が走ってしまうこともあるのです。一般的に「中二病」と呼ばれるものも、その一つです。

 この作品は、そのいわゆる「中二病」をこじらせた二人が、互いに被害者と犯人となることを約束して殺人計画を立てる物語。学校でも目立つ存在だが、自分のいる世界の狭さ、つまらなさにうんざりするアンと、教室でも地味な部類に属し、少し危うい気配を放つクラスメイト・徳川。この決して交わることのなさそうな二人が、しかしお互いに通じるものを感じて、秘密の計画を立て始めるのです。この計画は、大人が見ればただの悪質な冗談にしか見えないかもしれませんが、二人にとっては、とても切実で、拠り所ともいえるもの。この二人の不思議な関係性はどこへ向かっていくのか・・・心に痛みを覚えながら、それを見届けたくて読みました。

 少し変わっていますが、私のとても好きな青春小説です。

か「」く「」し「」ご「」と「:住野よる

 次に紹介するのは、住野よるさんの『か「」く「」し「」ご「」と「』です。

 きっと誰もが持っている、自分だけのかくしごと。みんなには隠している、ちょっとだけ特別な力。別に何の役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出すのは、眩しくて切ない青春

 この作品の作者・住野よるさんは、青春小説の名手で、特に「君の膵臓をたべたい」が有名ですが、個人的に、「青春」というのを最も上手く描いてるのは、この作品なのではないかな、と思います。

 同じ高校のクラスメイト5人。性格や教室での立ち位置もそれぞれ違う5人ですが、彼らには少しだけ特別な力があって、それを秘密にしながら、学校生活を送っています。その力を通して見えてくるのは、それぞれの複雑で繊細な心の動き。読んでいると、自身の学校生活が思い出されて、懐かしいような、切ないような気持ちになりました。周りの子たちが何を考えているのか分からず、自分がどう思われているかも分からずに、それがただ不安で、もどかしかったあの頃。あー分かる、そういうことあった!と思う場面が結構ありました。

 この時期の少年少女の微妙な関係性、複雑な心の動きを書かせたら間違いなしの作家・住野よるさん。その中でも爽やかさ、そして共感度という点ではNo.1だと思います。キャラクターも魅力的で、軽く読めますので、ぜひ。

いちご同盟:三田誠広

 次に紹介するのは、三田誠広さんの「いちご同盟」です。

 中学三年生の良一は、同級生で野球部のエース・徹也を通じて、重症の脳腫瘍で入院中の少女・直美を知る。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」。繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死を描いた青春小説。

 私の中で、特に心に残っている青春小説です。青春といっても、明るくて弾けるようなというよりは、むしろ静かで淡い、青春の儚さというか、そういうものを描いた作品だと思います。

 病気の女の子と、彼女を元気付け、慰めようとする二人の男子。三人の恋と友情を巡る物語・・・ストーリーは使い古された、といってもいいものですが、この作品の素晴らしいところは、その文章表現力。十五歳という最も多感ともいえる年頃の少年の危ういほどに繊細な心の内を、文章で見事に表現しています。主人公の少年は、子どもから大人に移り変わりつつある十代、まさにこのときにしかできないであろう見方で世界を見ていて、人生や愛や生や死について、彼なりに切実に考えます。人生に一時しかない青春を切り取った、まるで一枚の写真のように切なく美しい作品です。

翼はいつまでも:川上健一

 次に紹介するのは、川上健一さんの「翼はいつまでも」です。

 野球部で万年球拾いの僕は、ある夜、ビートルズの曲と運命的に出会った。そして、大人の男になろうと自転車で一人旅に出た湖で、初恋を知る。あまりにも爽やかな青春小説。

 とても有名な青春小説です。1960年代と少し時代設定が古いので、若い世代の人にはその空気感はなじみがないかもしれません(私もそうでした)。でも、その少し昔の感じこそがこの作品の魅力です。今よりももっと直接的に物事をみて、まっすぐぶつかっている、この時代の少年少女たちにはそんな印象が感じられ、彼らが送っている古き良き青春に、切ないほどの眩しさを覚えました。

 自分を変えてくれるものとの出会い、部活や学校での大人との戦い、自転車での一人旅と、そこで出会った少女との初恋や、芽生え始める性への関心・・・なんというか、男の子の青春の全てが詰まっているな、と思いました。読んでいて少し気恥ずかしくなる部分もあるのですが、その青臭さもまた愛おしい。青春っていいなあ、と思える小説です。

 男の子や、昭和の世代に青春時代を送った人に特におすすめの小説です。

黄色い目の魚:佐藤多佳子

 次に紹介するのは、佐藤多佳子さんの「黄色い目の魚」です。

 海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わず、イラストレーターの叔父だけに心を許しているみのり。絵を描くのが好きな悟。友情でも恋愛でもない、強くまっすぐな想いが、二人の間に芽生えて・・・。

 傑作として有名な、そして私自身も大好きな青春小説です。

 青春といっても弾けるように明るく騒がしいものではなく、もっと静かで、すうっと心に染み入ってくるような、そんな青春です。主人公二人が高校生にしてはすごく落ち着いていて、色んなことをしっかりと自分で考えているように感じられました。でも、だからといって大人だというわけでもなく、高校生らしい未熟さや繊細さも持っており、彼らの感じている言葉にできないようなもどかしさが文章から伝わってきました。

 素敵なのは、みのりと悟、二人の不思議な関係。あらすじにもあるように、恋愛や友情に似ているけれど、でもどこか違う。みのりと悟の関係としかいえないような、特別な何か。理由も分からずにお互いに惹かれ合うようなそんな相手と青春の中で出会えるって奇跡だな、と思います。

 海辺で波の音を聞いて、潮風に吹かれながら読みたい爽やかな一冊です。

くちびるに歌を:中田永一

 次に紹介するのは、中田永一さんの「くちびるに歌を」です。

 長崎県・五島列島の中学合唱部に指導係として1年間の期限付きでやってきたのは、東京の音大に進んだ柏木先生。彼女は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲・「手紙~拝啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分への手紙を部員たちに宿題として課していた。彼らが手紙に綴った、誰にもいえない思いとは・・・。

 アンジェラ・アキさんと五島列島の中学生との交流を描いたドキュメンタリー・ドラマを元に書かれた小説です。

 「手紙~拝啓十五の君へ~」の歌詞のように、誰にもいえない思いを抱える中学生たち。誰よりも今の自分の辛さを分かってくれて、かつそれを乗り越えて生きているであろう未来の自分へ向けた手紙には、そんな彼らの切実な思いと祈りが託されています。人間って、何も心配も不安もないときってないですよね。どんなときも、何かに悩みながら生きている。ただその悩みの捉え方、乗り越え方が、大人になるにつれて上手くなっていくだけなのかも、と思ったり。

 そんな彼らが打ち込んでいるのは、合唱。仲間と肩を並べ、声を合わせて一つの曲を歌い上げる合唱ですが、同じ歌詞を歌ってはいても、そこに乗せる思いは、みんなそれぞれ違うはず。五島列島の美しい青空に、彼らの切実な思いが込められた歌声が響いていく、その光景が目に浮かぶようです。

 この本を読む前に、アンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓十五の君へ~」を聴いておくことをおすすめします。そうすると、よりこの物語に入り込みやすくなると思います。どこまでも爽やかで、眩しいほどに純粋な青春小説です。

夜のピクニック:恩田陸

 次に紹介するのは、恩田陸さんの「夜のピクニック」です。

 高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。全校生徒が夜を徹して80キロを歩くというこの北高の伝統行事に、甲田貴子は密かな決意を胸に抱いて臨んでいた。本屋大賞受賞の、永遠の青春小説。

 本屋大賞も受賞した、恩田陸さんの代表作でもあり、青春小説の傑作としても有名な作品です。

 ただ夜を通して歩き続けるという少し変わったイベント「歩行祭」。貴子は、ある決意を持って、高校生活最後のこのイベントに臨みます。その決意とは、「歩行祭」の間に、あるクラスメイトに声をかけること。そのクラスメイトは男の子ですが、恋心とはまた違った複雑な思いを貴子は彼に抱いています。この二人を中心に、周りの友達も巻き込みながら、高校三年間の回想なども挟みつつ、歩行祭は静かに進行していきます。

 個人的に、修学旅行とかもそうですが、この夜まであるタイプの学校行事って、青春感が強くならないですか?クラスメイトが夜になっても自分の隣にいるって何だか不思議な感覚というか、その場の空気に特別感があって、わくわくしますよね。そういういつもとは違う雰囲気だからこそ、いつもとは違うことができる気がする、その気持ちがとてもよく分かりました。一人一人が、それぞれの思いを抱え、夜の中歩く歩行祭。たった一夜のその時間が、一生忘れられない時間になるかもしれません。

 青春小説の中でも特におさえておきたい名作です。

少年少女飛行倶楽部:加納朋子

 次に紹介するのは、加納朋子さんの「少年少女飛行倶楽部」です。

 中学1年生の海月が入部した飛行クラブ。その名の通り、空を飛ぶことを目標にしたこのクラブに集まった、変人の部長・神を始めとしたワケあり部員たち。彼らは空へ舞い上がれるのか?

 私の大好きな作家さん、加納朋子さんの、純度100%の青春小説です。

 「空を飛びたい」・・・きっと多くの人が一度は思ったことがあるのではないでしょうか。けれど、人間に空なんて飛べるはずがない、とすぐに諦めてしまった人がほとんどでしょう。「空を飛ぶ」というのは、人間にとっては不可能の代表例とも言えるもので、だからこそ、そこには夢が詰まっています。この小説は、そんな「空を飛ぶ」ことを夢見て、夢見るだけではなく、本気で叶えるために奮闘する中学生たちの姿を描いた青春小説です。

 最初は空への情熱もさほどなく、活動にも消極的だった部員たちが、部長である神の切実な思いに影響され、少しずつ「飛びたい」と思い、そのために心を一つにしていきます。その情熱は、ただ読んでいるだけの私にも伝染して、わくわくしながらページをめくりました。でも、やはりまだ中学生。未熟なところも、どうにもできないこともたくさんあり、思わず頑張れ!と言いたくなります。登場人物も全員ワケありですが魅力的で、未熟で子どもっぽいところさえ、読んでいてとても微笑ましいです。

 本気で飛ぼうとしている彼らの青春は、私たちの心を明るく照らしてくれます。明るく気持ちになりたい人はぜひ、どうぞ。

キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて):J・D・サリンジャー

 次に紹介するのは、J・D・サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)」です。

 インチキ野郎は大嫌い!大人の儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市・ニューヨークの街をたった一人でさまよう16歳の少年の目に映じたものとは何か?若い世代の共感を呼ぶ永遠のベストセラー。

 世界的に読み継がれる青春小説の傑作です。私が読んだのは村上春樹さん訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」なのですが、もう一つ、有名なのに野崎孝さんの訳したバージョンもあり、そちらの邦題は「ライ麦畑でつかまえて」になっており、一般的にはこちらがよく知られていると思います。(私もこの邦題がとても好きです。)

 思春期の頃、一度はあるのではないでしょうか、「大人って汚い!」「大人ってつまらない!」と思ったこと。大人が作った意味もないように見える規則に縛り付けられたり、大人の見栄の張り合いに巻き込まれて理不尽な思いをしたり。この作品では、そんな大人が支配する世界に対して反抗し、そこから飛び出し、さまよい、途方に暮れて、その結果自分なりの人生観を見つけ出した一人の少年の姿を描いています。この時期に、そういった反抗心を抱き、それに素直に従うことは悪いことではなく、実はとても貴重で、大切なことなのだと思います。それはその時期にしかできないことだと思うからです。大人になると、嫌でもそんな社会に順応しなければならないし、残念なことに、それができてしまうようになるのです。

 この作品の特徴は、まるで主人公がこちらにしゃべりかけてきているような、そんな文体で書かれているということ。翻訳されていることもあり、それが読みにくいという人もいるようですが、私は好きでした。「そうそう、そうだよね」と相槌を打ちたくなるような、そんな気持ちで読めました。多くの若者の共感を誘うのも、その文体によるところが大きいと思います。

 青春期に読むと共感できて、大人になってから読んでも、忘れていた大切なことを思い出させてくれる、そんな青春小説の世界的な名作、ぜひ一読してみてください。

まとめ

 どうでしたか?

 ときに明るく、ときに切なく、ときに苦しく、ときに爽やか・・・と、色々な顔を持つ青春。人生の中でも特に濃いのに一瞬で過ぎ去っていくこの時間を切り取った青春小説は、私たちに、大切なものを思い出させてくれます。

 この記事では私のおすすめを12冊紹介しました。気になった本があれば、ぜひ手に取ってみてください。

では、ここらで。
良い読書ライフを!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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