【どんな恋したい?】おすすめ恋愛小説17選!

おすすめの本
NoName_13によるPixabayからの画像

 ※この記事には広告が含まれます。

 みなさん、こんにちは。らくとです。

 みなさんは恋、してますか?

 恋愛というのは人間にとって、人生における大事な要素の一つですよね。

 恋愛と一口にいっても様々な形があります。叶ってそのままゴールインする幸せな恋もあれば、報われないまま終わったり、好き同士なのに結ばれないという切ない恋もあります。また、叶って恋人になってもすれ違いや裏切りなど哀しい終わり方をしてしまう恋もあります。恋愛というのは幸せなだけではなく、切なさや苦しさなど、ありとあらゆる感情を人に起こさせるものです。

 そして、それがどんな恋であれ、恋は確実にその人の人生を深くしてくれます

 この記事では、そんな「恋愛」をテーマにした小説を17冊、紹介していきたいと思います。有名な作品から隠れた名作まで、幅広く紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめの恋愛小説17選!

 では、早速紹介していきたいと思います。

愛がなんだ:角田光代

 まず紹介するのは、角田光代さんの「愛がなんだ」です。

 OLのテルコはマモちゃんのことが大好きで、仕事よりもマモちゃん優先。そのため会社もクビ寸前。けれど彼が好きなのはテルコではない・・・。痛々しいまでに全力な片思い小説。

 映画化されていて、かなり話題になっていた作品です。

 角田光代さんはやはりこういう大人の恋愛のリアルな感じを描くのが上手いなあ、と思いました。

 テルコの愛の強さが異常なので、共感できるか、と言われるとうーん・・・という感じですが、最近よくいう「沼る(ぬまる)」ってこういう感じなのかな、と。

 どれだけ好きでも決して報われない、でもはっきり拒絶されるわけでもないので、このままそばにいれればいい・・・これも恋の一つの形なのかな、と思いながら読みました。

勝手にふるえてろ:綿矢りさ

 次に紹介するのは綿矢りささんの「勝手にふるえてろ」です。

 江藤良香は、26歳にして異性との交際経験なし。しかし、中学時代の片思いを大切に引きずっている良香の前に、熱烈に愛してくれる同期の彼が登場!現実の恋愛に慣れていない良香は戸惑い、時に暴走しながらも、少しずつ前に進んでいく。

 個人的にすごく好きな恋愛小説です。

 主人公の良香はかなり変わった女の子で、正直可愛さや素直さはなく、むしろ若干ひねくれてるし、そんな良香に熱烈アピールする彼も全然完璧でかっこいい男ではなく、むしろ若干うっとうしいところもあるのですが、でも人間ってこういうもんだよな、と思えるようなリアルさがあり、呆れ笑いしつつも応援したくなる、そんな小説でした。

 キラキラはしてないし、劇的でもないけれど、恋愛のいいところも悪いところも詰まった素敵な恋愛小説です。

やめるときも、すこやかなるときも:窪美澄

 次に紹介するのは、窪美澄さんの「やめるときも、すこやかなるときも」です。

 毎年十二月の数日間、過去のトラウマにより声が出なくなる、家具職人の壱晴。経済的に困窮している実家を支えることに人生を費やし、恋とは縁遠い会社員の桜子。欠けた心を抱えて出会った二人の恋の結末は。

 窪美澄さんには珍しく、性的な描写があまりなく、とても純粋で綺麗な恋愛小説でした。

 心に傷を抱える不器用な二人が出会って恋をし、お互いの過去や家庭事情などを知って戸惑ったり悩んだりしつつ、少しずつ歩み寄っていく物語です。

 心理描写がとても細かく描かれていて、良かったです。ただ恋をする、というだけではなく、これから他人と「一緒に生きていく」とはどういうことなのか、それを考えさせられる話でした。

葉桜:橋本紡

 次に紹介するのは、橋本紡さんの「葉桜」です。

 高校三年生の佳奈は、書道教室の先生に長い片思いをしている。しかし、先生には奥さんがいる。叶わない思いを胸に、佳奈は日々教室で文字を書く。先生や妹、同じ書道教室に通う同い年の少年など、周囲の人に影響され、佳奈の中で何かが変わっていく――。

 眩しい青春恋愛小説でした。

 若者にとってはあまり身近ではないであろう「書道」というものをキーに物語が進んでいくのが、高校生の恋愛ものとしては少し変わっていますが、書道教室の静かで落ち着いた雰囲気が物語によく合っていて、終始穏やかな気持ちで読めました。

 女の子が少女から大人に変わろうとしている時期の恋や心情を綺麗に切り取っており、特に女性だと、何才になって読んでも切なく、懐かしい気持ちになれるような作品だと思います。

ノルウェイの森:村上春樹

 次に紹介するのは、村上春樹さんの「ノルウェイの森」です。

 飛行機の中に流れるビートルズの『ノルウェイの森』を聴きながら、僕は1969年、もうすぐ二十歳になろうとする秋の出来事を思い出し、混乱していた・・・自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部で出会った緑・・・等身大の人物を登場させ、限りない喪失と再生を描いた長編小説

 国内外で高い評価を受けている作家・村上春樹さんの代表作ともいえる、有名すぎるほど有名な作品です。

 恋愛小説ではあるのですが、この作品は恋愛というものを通して、生とか死とか人生とかそういうもっと深い部分に沈み込んでいくような、そんな小説でした。

 正直読んで完全に理解できたかというとそうではなく、かなり難解な作品ですが、村上春樹さんの言葉選びや考え方が素敵で、はっとさせられる場面が何度もありました

 ただ、少し性的な描写が多いので、かなり大人向けかな、と思います。(中学生くらい、そういうのがあまり理解できない時期に一度読みましたが、そういう描写が受け入れられなくて、挫折しました・・・)

ナラタージュ:島本理生

 次に紹介するのは、島本理生さんの「ナラタージュ」です。

 大学二年の春、かかってきた一本の電話。それは母校の演劇部顧問で思いを寄せていた葉山先生からだった。後輩の舞台に客演を頼まれた泉は、先生への思いを再認識する。しかし、彼の心の中にも、消せない炎があることを知った泉は・・・。

 島本理生さんの恋愛小説は、繊細で静かなのに確かに情熱があり、そこがすごく好きなのですが、この作品はその中でも特に好きな作品です。

 先生に恋する生徒、というと少女漫画のような設定ですが、そんなキラキラした話ではありません。わりと重めでどろどろしていて、恋愛って綺麗なだけじゃなくて、ときに残酷で苦しいものなのだと思わされる作品です。

 この愛はどこに向かっていくのか・・・切なさに胸を打たれながら読みました。

夜は短し歩けよ乙女:森見登美彦

 次に紹介するのは、森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」です。

 冴えない大学生の私は、想いを寄せる後輩の「黒髪の乙女」と何とかお近づきになろうと、京都の街を駆け回る。夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭・・・そこで待ち受けていたのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。京都を舞台にしたキュートな恋愛ファンタジー。

 大学生に人気な作品として有名ですよね。主人公が意中の相手について回っているうちに摩訶不思議な出来事に巻き込まれていくお話です。

 ファンタジー色が強めですが、その中心には常に「黒髪の乙女」を見つめる主人公の姿があり、その全力の片想いはいじらしいですが、どこかアプローチの方向性が間違っているような気もして、くすっと笑えます。

 京都の街並、少し古風な登場人物たちの語り口調、次々に押し寄せる不思議な出来事・・・森見ワールドにどっぷり浸かれる、楽しい恋愛小説です。

ひらいて:綿矢りさ

 次に紹介するのは、綿矢りささんの「ひらいて」です。

 華やかな女子高生・愛が恋をしたのは、哀しい目をした地味男・たとえ。彼の魅力に気付いているのは私だけ・・・そう思っていたのに、手紙をやりとりする女の子がいたなんて。なかなか思い通りにならない恋にもがく愛は、驚きの行動に走る・・・。

 高校生の恋愛を描いていますが、純粋で眩しいものではなく、むしろ激しくて、自分や周りの人も傷つけてしまうような痛々しさがありました。

 十代って大人なようでやっぱりまだ幼くて、後先考えずに、自分の感情優先で突っ走ってしまうことが多々あると思うのですが、愛の恋愛はまさにそんな感じで、全身でぶつかっていくようでした。

 正直主人公である愛の思考回路は激しすぎてよく理解できない部分もあったのですが、十代ゆえの未熟さと美しさ光る恋愛小説でした。

アイスマン、ゆれる:梶尾真治

 次に紹介するのは、梶尾真治さんの「アイスマン、ゆれる」です。

  病弱な母親と二人暮らしの知乃には、特殊な能力があった。祖母譲りのおまじないで、男女を相思相愛にする力だ。しかし、身体に負担がかかるという副作用がある。そんな知乃にも好きな相手ができるが、親友の鮎美もまた彼に想いを寄せていて・・・。

 ファンタジーが入った恋愛小説でした。

 他人の恋愛を成就させる能力というファンタジー要素と、恋と人生に揺れる30代女性のリアルな心情が上手く絡み合い、読み心地のよい作品でした。

 全体的にどこか静かで儚げな雰囲気が漂っており、そこがまた良かったです。幸せのために、悩みつつ少しずつ答えを出していく知乃の姿が印象的でした。

 切ない恋愛ファンタジーを読みたい方はぜひ。

NO CALL NO LIFE : 壁井ユカコ

次に紹介するのは、壁井ユカコさんの「NO CALL NO LIFE」です。

 過去からの留守番メッセージに導かれて、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会った。心に同じ欠落を抱えた2人は互いの傷を埋めるように惹かれ合うが・・・。

 私の中ですごく心に残っている恋愛小説の一つです。

 お互いに一緒にいると苦しくて痛いのに、それでも離れられない、お互いに居場所が相手の隣しかない・・・そんな切迫感というか危うさに心がヒリヒリしながら読みました。決して自分たちのせいではない境遇のせいでどこか自暴自棄になってしまっている二人を見ると辛かったです。

 十代の幼さと勢いにまかせた刹那的な、けれども苦しくて本気の恋・・・何度読み返しても胸が苦しく、切なくなる恋愛物語です。

波打ち際の蛍:島本理生

 次に紹介するのは、島本理生さんの「波打ち際の蛍」です。

 かつての彼氏からのDVにより心に傷を負う川本麻由は、生きることに臆病になっていた。そんな折、通っていた病院で植村蛍に出会う。二人は次第に惹かれ合っていくが・・・。

 島本理生さんらしい恋愛小説でした。相変わらず、文章表現が繊細で美しい

 主人公が、元彼からのDVにより恋愛にトラウマを抱えているというかなり重めの設定ですが、個人的には読んでいてそれほど重さや辛さは感じず、二人をそっと見守るような感覚で読み進めました

 麻由にも蛍にもどちらも弱さがあるのですが、それでもおそるおそる、お互いの傷を思いやりながら少しずつ近づいていくのが良かったです。

 ちなみに、私は、島本さんの作品に出てくる男の人の中では一番蛍が好きです。

植物図鑑:有川ひろ

 次に紹介するのは、有川ひろさんの「植物図鑑」です。

 ある日、道端に落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」成り行きで一緒に住むことになった青年・イツキ。植物に詳しく料理上手な彼とさやかとの間に恋が育っていく。

 甘々で可愛らしい恋愛ストーリーでした。

 少しそそっかしいさやかと穏やかで優しいイツキの王道のカップルは読んでいて微笑ましく、キュンとするシーンや恋っていいよね、と思うようなシーンもたくさんあって、幸せな気持ちになりました

 また、見所は恋愛だけではありません。題名通り、野草の名前やそれを使ったレシピなどがいくつか紹介されており、それらも楽しめます。

 甘い恋愛が好きな人はもちろん、普段重い本ばかり読んでいる人も、糖分補給にぜひ!

デビクロくんの恋と魔法:中村航

 次に紹介するのは、中村航さんの「デビクロくんの恋と魔法」です。

 絵本作家を漠然と夢みる書店員・光は優しいが少し頼りない男。しかしそんな彼には、「デビクロ」という謎キャラに変身して「デビクロ通信」なる手製ビラを無差別に撒くという意外な一面が。そんな彼の前に、ある日、運命の人が現れる。光に想いを寄せる杏奈は、複雑な思いで光の恋を見守るが・・・。

 中村航さんらしい、少し不思議でロマンチックな恋愛小説でした。

 恋のエピソードは純粋で可愛らしく、それゆえ少しもどかしいこともありましたが、全体的にほっこりして胸が温かくなる内容でした。登場人物それぞれが一生懸命に恋をしていて、みんな幸せになってほしいなあ、と素直に思えました。

 そして、所々に挟まれる「デビクロ通信」も可愛らしいイラストと、センスのある言葉で楽しめました

 冬の夜、街の灯りを眺めながら読みたい小説です。

失恋延長戦:山本幸久

 次に紹介するのは、山本幸久さんの「失恋延長戦」です。

 女子高生・米村真弓子は、放送部で一緒になった同級生・大河原くんに片思いの日々を送っている。なかなか告白できない真弓子をそばで見守るのは、飼い犬のベンジャミン。真面目で奥手な女の子の長い片思いを描いたピュア・ラブストーリー。

 清々しく、明るい恋愛小説でした。切ない場面もあるのですが、主人公や周りの人(犬?)たちの性格がわりと明るめで会話も面白いので、時々くすっと笑いながら爽やかに読めました

 真弓子も大河原くんも、そして真弓子のライバル兼友達(?)の藤枝もみんな不器用で、でも一生懸命で、何だか応援したくなるような、そんな魅力がありました。

 そしてこの小説の見所は、「飼い犬目線」で描かれているということ。何があっても真弓子に寄り添い続けるベンジャミンはとても可愛く、二人の絆には癒やされました。犬好きに特におすすめの恋愛小説です。

武器よさらば:ヘミングウェイ

 次に紹介するのは、ヘミングウェイの「武器よさらば」です。

 第一次世界大戦にイタリア軍士官として参戦したアメリカの青年フレデリックは、婚約者を失った看護婦キャザリンを知る。病院で再会した彼らの間に戯れに芽生えた恋は、悪化する戦況の中で次第に燃え上がっていく・・・。

 ノーベル文学賞作家・ヘミングウェイの有名作です。

 戦争文学の側面も恋愛小説の側面もどちらも兼ね備えています。著者自身が戦争に行った経験があるからか、戦争の描写はリアルで、その悲惨さ、過酷さがひしひしと伝わってきます。

 一方で、そんな戦争の中で繰り広げられるキャザリンとの恋は甘く、本来の人間の日常、営みというのはこういうものだったと思わされ、切なくなります。そして、その愛のために、主人公はある決断をし・・・そこからラストへと物語は突き進んでいきます。

 昔の文学、しかも翻訳ものなので、読みやすいとは言い難いですが、その文学性の高さと、読み終わった後の余韻の深さが素晴らしいので、人生に一度は読む価値のある小説の一つだと思います。

友情:武者小路実篤

 次に紹介するのは、武者小路実篤の「友情」です。

 若い作家・野島は、杉子に一目惚れする。それを知った野島の友人・大宮は恋の成就のために力添えをしようとするが、意外なことに、杉子の想いは大宮へと向かっていく・・・。

 個人的に、日本の文学作品の中で一番好きな作品です。

 「恋愛を取るか、友情を取るか」というのは現代でも恋愛の話題でよく議論になりますが、この作品はまさに、そのテーマをシンプルに小説にしたような話です。

 恋する相手の態度に一喜一憂したり、嫉妬して機嫌が悪くなったり、この作品を読むと、恋する人間の姿というのは、現代でも昔でもあんまり変わらないんだなあ、と思えます。

 文学作品というと読みにくい、とっつきにくい、というイメージがあるかもしれませんが、この作品は会話多く、文章も比較的読みやすいし、共感の持てるシーンも多いので、おすすめです。

 また、武者小路実篤の恋愛の短編では、「愛と死」もとてもよかったのでこちらもぜひ。

マチネの終わりに:平野啓一郎

 次に紹介するのは、平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」です。

 天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。四十代を前にして出会った二人は、一瞬で惹かれ合った・・・ロングセラー恋愛小説。

 全てが美しく、ロマンチックな大人の恋愛小説でした。

 どこか浮世離れした二人の恋愛はとても知的で、ただ異性として好きというだけではなく、人間として、より深いところからお互いに惹かれ合っているような感じがして、まさに運命の二人だと思いました。

 けれど、後にその運命が二人を翻弄するのです。この二人の恋の行方はどうなるのだろうと、切ない気持ちでページをめくりました。

 とにかく文章表現が詩的で綺麗で、恋愛だけでなく、人生観などにおいてもはっとさせられる文章が多く、美しい異国の情景描写も相まって、作品世界にしっとりと沈み込めました

 私は今二十代ですが、もっと年を経てもう一度読むと、更に深みが増しそうな、そんな小説です。

まとめ

 どうでしたか?

 同じ恋愛小説でも、切ないものやドロドロしたもの、激しいもの、爽やかなもの、甘々なもの、ファンタジーの入ったもの・・・様々なテイストの恋愛小説を17冊、紹介してみました。

 気になった小説があったら、ぜひ、手に取ってみてください。

 では、ここらで。
 良い読書ライフを!

コメント

タイトルとURLをコピーしました