春に読むべきおすすめの本12選!

おすすめの本
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 こんにちは、らくとです。
 春がやって来ました。春はぽかぽかとしていて、どこか晴れやかな気分になりますね。

 春といったらみなさんは何を思い浮かべますか?
 年度の始めが4月である日本では、春は終わりの季節でもあり、また始まりの季節でもあります。ずっと時間を共にした人と別れ、新しい人と出会い、新しい関係を築いていく季節です。そんな私たちを、桜やチューリップ、タンポポなどの綺麗な花たちが道端からそっと見守ってくれています。

 そんな春という季節にぴったりの、おすすめの本を12冊、紹介したいと思います。
 気に入った本がありましたら、春のお供にぜひ、手に取ってみてください。
 

春に読みたい本12選!

 では、春に読みたい本を12冊、紹介していきます。

何者:朝井リョウ

 就活生や新入社員に読んでほしいのが朝井リョウさんの「何者」です。
 就活について描き、直木賞を受賞した青春小説です。
 拓人と、その同居人の光太郎。光太郎の元カノの瑞月。瑞月の留学仲間で拓人たちと同じアパートに住む理香。理香と同棲中の隆良。就活生の5人は、就活対策として集まるようになる。だが、お互いの言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、互いの関係を次第に変えていく・・・。
 3月といえば、就活の始まりの時期でもあります。ESを何枚も書いて、面接を何回も何回も受けて・・・自分という人間を品定めされて、ふるいにかけられて、振り落とされていく・・・。落ちたときには、自分という存在を否定されている気分になります。多くの人にとってはつらいものでしょう。
 この「何者」は今の若者の就活をかなりリアルに描いています。就活生の面接用の笑顔の裏に隠された本音を容赦なく描いているので、就活生にとっては心にぐさぐさ刺さるでしょうし、就活を終えたばかりの新入社員には共感できるところも多いでしょう。ぜひ読んでみてください。

君の膵臓を食べたい:住野よる

 次に紹介するのは、住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」です。
 大ベストセラーとなった住野よるさんのデビュー作です。
 ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った秘密の日記帳だった。そこに書かれていた言葉により、彼女が膵臓の病気で余命いくばくもないことを知ってしまった僕は・・・。
 桜の表紙が印象的なこちら。題名でぎょっとするかもしれませんが、爽やかで、泣ける青春小説です。二人の男女の出会いと、そして別れまでの短くも美しい日々を綴っています。恋人でもない、友達ともちょっと違う、そんな二人の特別な関係が魅力的です。そして、最後は必ず泣けます。
 春の陽気の中、桜と青空を眺めながら読みたい感動の一冊です。

はるひのの、はる:加納朋子

 次に紹介するのは、加納朋子さんの「はるひのの、はる」です。
 加納朋子さんの「ささらシリーズ」の最終巻です。
 大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現われる。初対面のはずなのになぜか親しげな彼女は、ユウスケに無理難題をいろいろと押しつけてくる。しかし、気まぐれに思えた彼女の頼み事は全て、ある人を守るためのものだった・・・。
 この物語の主人公は、シリーズの前二作、「ささらさや」と「てるてるあした」ではほんの赤ん坊だったユウスケ幽霊が視える彼が、その能力を使って人々を助けていきます。そして最後の章で、それまでの話が繋がり、1つの温かい真実が浮かび上がるのです。長い時を超えて1人の人間が起こした奇跡を、加納朋子さんの優しく温かな筆致で描いています。
 なお、シリーズをちゃんと順番に読みたい!という人は、先に「ささらさや」、そして「てるてるあした」を読むことをおすすめします。この2冊も心温まる優しい物語なので、春に読むのにぴったりだと思います。

やめるときも、すこやかなるときも:窪美澄

 次に紹介するのは、窪美澄さんの「やめるときも、すこやかなるときも」です。
 心温まる、純粋な恋愛小説です。
 家具職人の壱晴は、毎年十二月の数日間、声が出なくなる。原因は過去にあったが、それを誰にも話さずに生きてきた。一方、会社員の桜子は、困窮する実家を支えるのに必死で恋とは縁遠い。2人は知人の結婚式で出会い・・・。
 人生に後悔を抱える2人が出会い、お互いを知り、許し、受け入れていこうとするその道のり、そしてそれに伴う心の動きを、丁寧に描いています。本当に純粋で、黒いところのない綺麗な恋愛小説で、気持ちよく読めました。誰かと共に生きていくということについて考えさせられる本でした。
 素敵な恋人に巡り会うことを「春が来た」などと言いますが、この2人の出会いは、まさに彼らの人生に訪れた春のようでした。ぜひ、春に読んでほしい一冊です。

卒業:東野圭吾

 お次に紹介するのは、東野圭吾さんの「卒業」です。
 人気の加賀恭一郎シリーズの第一作目です。
 卒業を控えた大学四年の秋、一人の女子大生が死んだ。親友・相原沙都子は仲間とともに残された日記帳から真相を探っていく。鍵のかかった下宿先での死は自殺か、他殺か。彼女が抱えていた秘密とは?そして第二の事件が起こる。
 一応青春ミステリーではありますが、あまり爽やかではありません。大学卒業間際に仲良しグループのうちの一人が死に、残った仲間でその死を探っていくという話ですが、読み終えたときは、何とも後味の悪さが残りました。タイトルの「卒業」というのは、大学からの卒業とともに、青春からの卒業という意味もあるのかな、と切なさとともに思いました。
 少し暗い話ですが、別れの季節でもある春に読んでほしい一冊です。

四畳半神話大系:森見登美彦

 次に紹介するのは、森見登美彦さんの「四畳半神話大系」です。
 相変わらず森見ワールドが炸裂している、青春ファンタジーです。
 私は冴えない大学3回生。想像していたバラ色のキャンパスライフと現実とはほど遠い。悪友の小津に振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんにはなかなかお近づきになれない。いっそ、1回生に戻って全てをやり直したい!彷徨い込んだ4つの平行世界で起こる出来事とは?
 ちょっと変わった小説で、ありえたかもしれない主人公の大学生活を4パターン、平行世界として描いています。でもどの世界でも、結局3回生になった主人公の嘆きから物語が始まるのは不憫というかなんというか・・・笑。森見さんらしさをいっぱいに詰め込んだ、愉快ででもちょっとほろ苦い作品です。
 こんな大学生活送りたい!・・・とはならないかもしれませんが笑、この春大学生になる人にぜひ読んでほしい一冊です。

植物図鑑:有川ひろ

 次に紹介するのは、有川ひろさんの「植物図鑑」です。
 大人気作家・有川ひろさんによるピュアな恋愛小説です。
 「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」道端に「落ちていた」彼。河野さやかは、樹と名乗る青年を家に招き入れ、突然の同居生活が始まる。植物に詳しく料理上手な樹は、さやかに道端の植物の名前を教えたり、それを摘んできて料理をしたり・・・二人に芽生えた恋の行方は?
 ピュアで甘い恋愛小説でした。突然始まって、穏やかに少しずつ進んでいく二人の恋模様を、微笑ましい気持ちで見守りました。そして、二人の恋模様だけではなく、ちょくちょく挟まれる、道端の草花やその調理法についての小さな知識も見所です。
 春は多くの植物が芽吹く季節。そんな春にぴったりの恋愛小説です。

蜜蜂と遠雷:恩田陸

 次に紹介するのは恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」です。
 直木賞と本屋大賞をダブル受賞して話題になった作品です。
 3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。音楽界にとってかなり重要なこのコンクールに挑む者たち。自宅にピアノを持たない天才少年・風間塵。かつての天才ピアノ少女・亜夜。音大出身のサラリーマン・明石。優勝候補のマサル。音楽の天才たちが繰り広げる競争という名の自分との闘い。その果てにあるものとは。
 圧巻の小説でした。それぞれの参加者がコンクールにかける想いと葛藤。彼らの演奏はまさに、才能と情熱のぶつかり合いで、凡人の私は、その高度な闘いを、固唾を吞んで見守りました。そして音楽という言語化するのが困難なものを見事に表現してみせた恩田陸さんの文章力には脱帽です。まるで、その音楽の背後にある風景が目の前に浮かんでくるような、そんな圧巻の表現力でした。
 ぜひ春に読んでほしい一冊です。

楽隊のうさぎ:中沢けい

 次に紹介するのは、中沢けいさんの「楽隊のうさぎ」です。
 吹奏楽部に熱中する中学生の少年を描いた青春小説です。
 「学校にいる時間はなるべく短くしたい・・・」そう思っていた引っ込み思案の克久。しかし、彼の中で何かが変わった。中学で、練習が大変な吹奏楽部に入部したのだ。打楽器を担当することになった克久は、しだいに夢中になり、生き生きとした自分を取り戻していく・・・。
 引っ込み思案でいじめられっ子だった克久が、吹奏楽部に入ったことで生き生きしていく様子が、見ていて元気をもらえました。何か好きなことに夢中になるって、素晴らしいことだと思います。大人になるにつれて遠くなっていくであろうその純粋な情熱を、思い起こさせてくれる話でした。また、中学生という多感な時期ならではの繊細な心情も丁寧に表現されていました。
 全ての年代の人の心に響く話だと思います。何か新しいことを始める背中を押してくれる一冊です。

氷菓:米澤穂信

 次に紹介するのは米澤穂信さんの「氷菓」です。
 ほろ苦い青春ミステリーの代表作として有名な作品です。
 何事にも積極的に関わろうとしない省エネ少年の折木奉太郎。なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。そして、古典部が代々作ってきた文集「氷菓」に秘められた、33年前の真実とは?
 青春ミステリーのお手本みたいな一冊です。省エネの奉太郎、好奇心旺盛なお嬢様・える、どこか飄々とした里志と毒舌の摩耶花。キャラクターも個性的で、その会話にもセンスが光っています。また、日常のささいな謎や、過去に潜んだ真実を解き明かしていくのも面白く、でも最後にはちょっぴりほろ苦く切ない気持ちになります。
 人気シリーズである古典部シリーズの1作目でもあり、奉太郎とえるの出会いから始まる「氷菓。ぜひ春に読んでほしい一冊です。

Presents:角田光代(絵:松尾たいこ)

 次に紹介するのは、角田光代さんの「Presents」です。
 贈り物にまつわる12の話が入った、可愛らしい挿絵つきの短編集です。
 生まれて最初にもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子どもが描いた「家族の絵」・・・。私たちは人生において、様々なプレゼントを贈り、そして贈られながら生きていく。贈り物のシーンを小説と絵で鮮やかに切り取った12編
 どれも、読んでいて心温まる物語でした。人生において、贈り物というのは数え切れないほどされると思いますが、ささいだけれど忘れられない贈り物ってありますよね。贈り物と一緒に贈られるその人の想いや祈りが伝わり、胸がいっぱいになる・・・この話は、そんな12の場面を切り取っています。文章はもちろんのこと、ついている挿絵が色とりどりで可愛らしく、心が癒やされます。
 春は卒業祝いや入学祝いなど、贈り物の季節。そんな春にぜひ読んでほしい一冊です。

阪急電車:有川ひろ

 次に紹介するのは、有川ひろさんの「阪急電車」です。
 同じ電車に乗り合わせた人々の15分間の小さな奇跡を描いた人生ドラマです。
 婚約者を盗られた女性、彼氏のDVに悩む女子大生、犬を飼おうか迷っている老女・・・。様々な人の思いを乗せて、阪急電車は走る。新しい恋の始まり、別れの決意、そして途中下車。片道15分のローカル線、阪急今津線で起こる小さな奇跡の数々
 普段電車に乗っても、同じ車両に乗っている他の人のことなんて気にかけないかもしれません。けれど、その人たちにもそれぞれの悩みがあり、人生があるのです。ただ、同じ電車に乗り合わせた、それだけの人々が、ささいなことで繋がり、お互いに励まし合い、前を向き合って、またそれぞれの人生に戻っていく・・・。これはその場面を切り取った、心温まる物語です。
 多くの人との出会いがある春にこそ、読んでほしい一冊です。

まとめ

 どうだったでしょうか?
 この記事では、「春に読んでほしい本」を12冊、紹介しました。
 今年も、別れと出会いの季節、春がやって来ました。
 新生活の準備で忙しい人もいるかもしれませんが、その合間の息抜きに、本を読むのもありだと思います。どんな本を読んでもいいですが、読む本が分からない、決まっていないという人は、私の紹介した12冊の本のうち、気になったものを手に取って見てください。春に読むのにぴったりの本ばかりです。
 では、ここらで。
 よい読書ライフを!

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