【本好き必見】本好きのための本13選

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 みなさんこんにちは、らくとです。
 この記事を読んでくださっている、もしくは私のサイトを知ってくださっているということは、ここにいるみなさんは、程度はどうであれ、本が好き、読書に興味がある、という人々だと思います。
 今日はそんなみなさんのために、本好きが共感し、楽しむことのできる、本への愛に溢れた本を13冊、紹介していきたいと思います。

本好きのための本13選

 では早速、紹介していきたいと思います。

さがしもの:角田光代

 1冊目に紹介するのは、角田光代さんの「さがしもの」です。
 病床のおばあちゃんに頼まれた一冊の本を探して奔走した少女の日を描く「さがしもの」、初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」、持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など、本にまつわる9つの物語
 本が好きな人なら、本にまつわる大切な思い出が一つや二つはあるはずです。昔に読んだ、もう一度だけ読みたい本、近所にあった小さな古本屋、本の好みが似ていた恋人、旅先でふっと出会った本・・・この本を読んでいるうちに、自分の中にもある、本にまつわる些細だけれど大切な記憶がふっと蘇ってきます。本好きにぜひ読んでほしい一冊です。

本を守ろうとする猫の話:夏川草介

 2冊目に紹介するのは、夏川草介さんの「本を守ろうとする猫の話」です。
 祖父を突然亡くした高校生、夏木林太郎。祖父が営んでいて、林太郎にとっても特別な場所だった古書店『夏木書店』を畳み、叔母に引き取られることになった林太郎の前に、人間の言葉を話すトラネコが現れた。トラネコは本を守るために林太郎の力を借りたいと言うが・・・。
 何とも不思議で、けれど魅力的な世界の中で、話が進んでいきます。「本」とは何か、「読書」とはどういうもので、どうあるべきか・・・そういったことについて、物語を通して作者の考えが随所に示され、自分自身もその答えを考えさせられる話でした。「本には力がある」・・・本への愛に溢れた言葉がたくさん並んでおり、本好きな方におすすめの一冊です。

円紫さんと私シリーズ:北村薫

 3冊目は、北村薫さんの「円紫さんと私シリーズ」です。
 北村薫さんの代表作ともいえるシリーズで、特に1作目の「空飛ぶ馬」は日常の謎ものとしてかなり評価が高い作品です。
 大学の文学部に所属する主人公と、落語家の円紫さんがコンビを組み、日常に潜んだ些細な謎や、本や文学作品にまつわる謎などを鮮やかに解いていくシリーズです。シリーズが進んでいくにつれて、主人公である「私」の成長を見ることができ、感慨深い気持ちになります。
 そして、何より、主人公の本・書物に対する愛が、シリーズを通して、優しく、静かに表現されており、本好き、特に文学作品が好きな人は深く共感できると思います。
 現在シリーズとして6冊出ておりますので、ぜひ読んでみてください。

桜風堂ものがたり:村山早紀

 4冊目に紹介するのは、村山早紀さんの「桜風堂ものがたり」です。
 百貨店内の書店・銀河堂書店に勤める月原一整は、物静かで人付き合いが苦手な性格ながらも、埋もれていた名作を見つけ出すのが上手く、店長にも信頼されている。しかし、一整は、店内で起こった万引き事件をきっかけに店を辞めざるをえなくなってしまう。傷心の一整は、以前よりネットで交流のあった桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪れる・・・。
 優しい気持ちになれる、心温まる物語でした。物静かだけれど誰よりも本を愛する青年を主人公に、本を通した出会いとつながりを描いていて、本って本当に素敵だなあと再確認できました。まだあまり知られていないけれどいい作品・・・そんな作品を見出し、世に広めていく。本好きにとっては、考えるだけでわくわくするような話ですよね。ぜひ読んでみてください。

舟を編む:三浦しをん

 5冊目に紹介するのは、三浦しをんさんの「舟を編む」です。
 出版社の営業部員の馬締光也は、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向けて、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者や日本語研究に人生を捧げた老学者、そして次第に辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。不器用な人々の思いが胸を打つ感動作
 本屋大賞を受賞し、映画化もされた三浦しをんさんの代表作とも言える作品です。
 「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」このセリフがとても印象に残っています。日本語は膨大な数で、ほとんどの日本人には知られていないけれど素敵な言葉もたくさんあります。そんな言葉を一つ一つ漏らすことなく1冊の本にまとめるという作業はまさに「編む」という言葉がぴったりです。編集部のみんなの辞書や言葉にかける情熱に胸を打たれ、人生をかけて何かを作り上げるというのは尊いものだな、と思いました。
 言葉で紡がれる本というものを愛する人にぜひ読んでほしい作品です。

書楼弔堂 破暁:京極夏彦

 6冊目に紹介するのは、京極夏彦さんの「書楼弔堂 破暁」です。
 明治二十年代の半ば。東京の外れで無為に暮らしていた高遠は、異様な本屋と巡り会う。本は墓のようなものだという主人が営む店の名は『書楼弔堂』。古今東西の書物が集められたこの店に、迷える者たちが己のための1冊を求め〈探書〉に訪れる
 京極夏彦さんの新シリーズの第一弾です。
 古今東西どんな書籍でもある、どこか不思議な本屋、書楼弔堂。街燈台のような建物の中にぎっしりと本が詰まっている様子は、本好きなら、想像すればわくわくするでしょう。1冊の本を求めてそこを訪れるのは、歴史上や文化上の要人たち。たった1冊の本が、人の考えを変え、人を導いていく・・・本にはそれだけの力があるのだと、教えてくれる作品です。
 続編も出ていますので、よいと思ったらそちらもぜひ。

小説の神様:相沢沙呼

 7冊目に紹介するのは、相沢沙呼さんの「小説の神様」です。
 学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され、売り上げも振るわない・・・。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れたのは、同い年の人気作家、小余綾詩凪(こゆるぎしいな)。二人で小説を合作するうちに、僕は彼女の秘密に気が付くが・・・。
 売れない高校生作家を主人公にして、話が進んでいきます。「小説に力なんてない」・・・物語を紡ぐことに疲れ切った主人公の苦悩が切々と綴られ、読んでいるこっちまで胸が苦しくなりました。そんな彼が同い年の人気作家と出会うことで、運命は動きだします。傷を負いながらも、苦しみながらも、書かずにはいられない、そんな「作家」たちの物語です。

“文学少女”シリーズ:野村美月

 8冊目に紹介するのは、野村美月さんの「“文学少女”シリーズ」です。
 物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛するただの高校生、井上心葉。文芸部に所属する二人が、学校の内外で起こる様々な事件に関わり、人々の心を読み解いていくちょっぴりビターな学園ミステリーです。
 私はこのシリーズを本編からスピンオフまで全部読みました。それくらい好きなシリーズです。
 出てくるキャラクターが魅力的で、可愛らしくちょっぴり抜けたところのある遠子と、どこか冷めている心葉のやりとりがテンポ良く面白いです。また、シリーズを通して明らかになっていく心葉や遠子の過去も見所です。
 そして、本好きに読んでほしいと思う一番の理由は、それぞれの事件に、テーマとなる文学作品があるということです。その文学作品と重ね合わせながら事件を読み解いていくので、その作品のファンの人はより楽しめると思います。
 ライトノベルですし、可愛らしい挿絵もついていますので、誰でも読みやすいと思います。

配達赤ずきん:大崎梢

 9冊目に紹介するのは、大崎梢さんの「配達あかずきん」です。
 近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真・・・。駅ビルの書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と勘のよいアルバイト店員・多絵がさまざまな謎に取り組んでいく
 書店を舞台にした日常の謎で、解き明かしていく謎は本(雑誌、コミックも含む)や書店に関わる謎ばかり。著者の大崎梢さんが実際に書店に勤務していた経験があることから、その仕事内容や書店の雰囲気がリアルに感じられ、本屋さんが好きな人は楽しめると思います。
 この「配達あかずきん」を始めとして、『成風堂書店事件メモシリーズ』としてシリーズになっているので、気に入ったらぜひ次も読んでみてください。

神さまのいる書店 まほろばの夏:三萩せんや

 10冊目に紹介するのは、三萩せんやさんの「神さまのいる書店 まほろばの夏」です。
 自分には居場所がない・・・そう感じている紙山ヨミ。そんなヨミにとって、本は心の拠り所。ヨミは図書室司書教諭のノリコに、夏休み中バイトをしてはどうかとある店を紹介される。その店は、魂の宿った生きている本「まほろ本」を売る不思議な書店だった・・・。
 少女が自分の居場所を見つける、一夏の物語でした。本が生きているという斬新でファンタジックな設定で、楽しめました。出てくるキャラも個性的で、文章もライトで読みやすいです。そして何より「本にお世話になった」や「本に恩返ししたい」など、ヨミの言葉から、本に対する感謝と愛が伝わってきて、共感とともに温かい気持ちになりました
 シリーズ化されているので、1冊目が気に入ったら、そちらもぜひ読んでみてください。

追想五断章:米澤穂信

 11冊目に紹介するのは、米澤穂信さんの「追想五断章」です。
 大学を休学して、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父が書いた5つの「結末のない物語(リドル・ストーリー)」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことが分かり・・・。
 リドルストーリーというのは、物語中の謎に対して明確な答えが示されないまま終わる物語のことです。5つのリドルストーリーを探すことから始まった話が、20年以上前の事件に繋がっていきます。物語を読み解きながら事件も読み解いていくその過程から、目が離せませんでした。物語のロマンが詰まった、上質な大人のミステリーです。

死の蔵書:ジョン・ダニング

 12冊目に紹介するのは、ジョン・ダニングの「死の蔵書」です。
 十セントの古本の山から、数百ドルの値打ちの本を探し出す・・・そんな腕利きの“古本掘出し屋”が何者かに殺された。捜査にあたった刑事のクリフは、貧乏だったはずの被害者の蔵書に、莫大な価値があることを知る・・・。古書に関して博覧強記を誇る刑事が、稀覯本取引に絡む殺人を追う。
 1997年版の「このミステリーがすごい!」の海外編で1位を獲ったこの作品は、本好き+ミステリー好きにはたまらない作品です。事件が古本業界に深く関わっているので、作中に様々な本が登場し、読んでいてわくわくします。事件に関わる人も、本を愛している人ばかりです。
 「死の蔵書」を始めとして、本に絡む事件を扱ったシリーズになっていますので、こちらが気に入ったら、次もぜひ。

熱帯:森見登美彦

 13冊目に紹介するのは、森見登美彦さんの「熱帯」です。
 どうしても、読み終えられない本がある・・・「熱帯」という名の奇妙な本を巡る冒険。その謎の解明に勤しむ「学団」、神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」・・・。その冒険は東京の片隅で始まり、京都を駆け抜け、数多の語り手の魂を乗り継いで、予想もしなかった方向へと突き進む
 森見さん自身が表現していた通りの「怪作」でした。謎に包まれた1冊の本を巡って繰り広げられる壮大な冒険を描いていて、楽しめました。なんというか、森見さんの想像力というか、世界観に圧倒されました。次々に世界が変わり、今何が起こっているのか混乱しながらも、夢中で物語を追いかけました。何とも不思議で、めくるめく読書体験でした。

まとめ

いかがでしたか?
この記事では「本好きのための本」というテーマで本を紹介しました。
本が好きな人が共感しながら楽しく読める本を13冊、選ばせていただきました。
ぜひ、手に取ってみてください。

ではここらで。
良い読書ライフを!

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