【怖さレベル付き】おすすめのホラー小説16選!

おすすめの本
Nick MagwoodによるPixabayからの画像

 みなさんこんにちは、らくとです。
 みなさん、突然ホラー小説を読みたくなるときってありませんか?
 私は実はホラー小説が好きで、よく読みます。とはいってもそういった怪現象が自分の身に実際に起きてほしいかというと絶対にそんなことはないです。ただ、読んでいるときの、背筋が凍るようなゾクッとした感覚、そして読み終わった後の、起きるわけはないけれど、ひょっとしたら自分の身にもそういうことが起こるのではないか、というつかの間の不安感、恐怖感を味わいたいがために、ホラー小説を読みます。
 いわば、安全に恐怖という非日常を味わえる、それがホラー小説なのです。(私個人の話ですが、私はホラーは、映画やドラマなど視覚化されたら無理なタイプなので、もっぱら小説で楽しみます。)
 この記事では、そんなホラー小説の中で、特におすすめだと思うものを16冊、怖さレベル付きで紹介したいと思います。

ホラー小説って?

 まずはホラー小説について軽く語らせていただきます。
 ホラー小説といっても、その範囲は広いです。少しでも人ならざる要素が入っていればホラーなのか、怖い場面があればホラーなのか、と色々考えることはありますが、一応私は、「読者を怖がらせること、もしくは不安にさせることを目的とした小説」をホラー小説だと思っています。
 それに加えて、ホラー小説にはいくつかのタイプがあります。最も一般的なものとしては、幽霊や化け物、怪談などの絡むものがありますが、それ以外にも、人間の狂気などをテーマにして書かれる、いわゆるサイコ・ホラーと呼ばれるものもあります。また、怖いというよりも不気味というか、不安を煽るような、それでいて美しい・・・そういった「幻想ホラー」というようなジャンルもあります。

おすすめホラー16選!

 では、ここからは、おすすめのホラー小説を怖さレベル付きで紹介していきたいと思います。
 怖さレベルは最高を★5つ、最低を★1つとして表します。怖さレベルが低いものに関しては、怖いのが苦手な人でも読みやすいと思うので、ぜひ参考にして、挑戦してみてください。
 ただ、この怖さレベルはあくまでも私個人の判断であり、みなさんが実際に読んで、「あれ?そんなに怖くないじゃん」「え?思ってたより怖いじゃん」と思うようなこともあるかもしれません。怖さの基準は人それぞれだと思うので、そういうこともあるかもしれないということをご理解いただければ幸いです。

墓地を見おろす家:小池真理子 ★★★

 まず紹介するのは、小池真理子さんの「墓地をみおろす家」です。

 哲平一家が移り住んだ、新築・格安・都心という絶好の条件のマンション。しかし、大きな問題が一つ。そこは広大な墓地に囲まれていたのだ・・・。やがて、一家に次々と不吉な出来事が起こり始める。彼らが迎える最悪の結末とは・・・?名作ホラー。
 わりと昔の本(昭和の終わりくらい)のため少し古くささがありますが、そこがまた味を出しています。墓地に囲まれたマンション、といういかにも不穏な舞台設定ですが、途中までの展開はわりと地味。しかし、何か得体のしれないものが少しずつ近づいて来ている、というような薄気味悪さ、不気味さが終始続きます。そして、終盤辺りからの畳みかけるような恐怖は見事。気になる方はぜひ読んでみてください。

黒い家:貴志祐介 ★★★★

 次に紹介するのは、貴志祐介さんの「黒い家」です。

 若槻慎二は、生命保険会社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、子どもの首吊り死体を発見してしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた慎二は独自で調査に乗り出す。その先に、信じられない悪夢が待ち受けているとも知らずに・・・。
 こちらは保険金殺人が絡んだ、有名なサイコ・ホラーです。あらすじに「信じられない悪夢」とありますが、これは全く誇張ではなく、本当に信じられないほど恐ろしいことが次々と起こります。読んでいて鬱になりそうなほどで、私は何度か本を置いてしまいました。けっこう残酷描写が多いので、苦手な人は注意です。「生きた人間が一番怖い」という言葉を体現したような小説でした。

営繕かるかや怪異譚:小野不由美 ★★

 次に紹介するのは、小野不由美さんの「営繕かるかや怪異譚」です。

 叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている・・・「奥庭より」。古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親が言った。「屋根裏に誰かいるのよ」・・・「屋根裏に」。家や土地にまつわる小さな怪異に困る人々を助けるのは、営繕屋、かるかや
 連作短編集ということもあってか、「日本の怪談」っぽさが強かったです。怖くはあるのですが、しっとりとした怖さでした。かつ、ただ怪現象を怖がるだけではなく、その怪異と向き合い、家を上手く「修理」することで解決するというその手法がわりと新しくて面白かったです。怖さもあり、謎解きもあり、少しほっこりとした温かさも感じる不思議なホラーでした。

よもつひらさか:今邑彩 ★★★

 次に紹介するのは今邑彩さんの「よもつひらさか」です。

 現世から冥界へ下っていく道を、古事記では「黄泉比良坂(よもつひらさか)」と呼ぶ――。一人で歩いていると死者に会うことがあるという不気味な言い伝えのある坂を舞台に描かれた表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12編のホラー短編集
 短編集なのですが、どれも短いながらに完成度が高く、読み応えのある話ばかりでした。ホラー短編集ではありますが、ミステリー的なオチが用意されている話もあり、楽しめました。なんていうか、ただ怖いというのではなくて、奇妙という言葉の方が似合う、そんな世界観がとても良かったです。個人的に好きだったのは表題作「よもつひらさか」と「ハーフ・アンド・ハーフ」でした。

ぼぎわんが、来る:澤村伊智 ★★★★★

 次に紹介するのは、澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」です。

 幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが・・・?
 今ホラー界で期待されている作家さんのデビュー作です。とにかく怖かったです。ある程度ホラーを読み慣れている私が、部屋で一人で読めず、家族のいるリビングに行って読んだくらいには怖かったです。けっこう王道のホラーという感じでした。「ぼぎわん」の化け物感というか、本当に理解のできない、得体のしれない感じがより恐怖感と絶望感を引き立てていました
 実はこちら、比嘉姉妹シリーズとしてシリーズ化されているので、こちらが気に入ったらぜひ、次も読んでみてください。

屍鬼(しき):小野不由美 ★★★

 次に紹介するのは小野不由美さんの「屍鬼」です。(リンクは一巻目のみ貼っておきます)

 人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われたある夏、山深い集落で三体の腐乱死体が発見される。それが悲劇の始まりだった――。村で連続する不審死は、殺人か、それとも未知の疫病か・・・。文庫にして5巻になる大作ホラー!
 こちらは山奥の村を舞台にしたホラー小説です。怖いといえば怖いのですが、ホラーとしてというよりも、一つの物語としてとても面白いな、と感じました。登場人物が多く、その紹介に費やされるため1巻は展開が遅いですが、2巻目から一気に面白くなってきます。村に何が起こっているのか、少しずつ判明していくにつれて、恐怖や焦燥も徐々に大きくなっていき、物語にどんどんのめり込んでいきます。読んだ後は「すごいものを読んだなあ」という気持ちになりました。ぜひ読んでみてください。

玩具修理者:小林泰三 ★★★★★

 次に紹介するのは小林泰三さんの「玩具修理者」です。

 玩具修理者はなんでも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも・・・死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬のかけ声とともに。ある日、私は弟を誤って死なせてしまう。親に知られる前に、私は弟を玩具修理者の元へ持って行くが・・・。
 私の中で強烈に印象に残っているホラー小説です。似たような小説は他に読んだことがありません。怖いというよりは奇妙で、若干のグロさもあり、その世界観は素晴らしいのですが、もう一度読みたいかと言われると、否、という感じです。私の中では若干のトラウマ小説です。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、一種の読書体験として、一度は読んでおくことをおすすめします。なお、表題作だけではなく、もう一つの収録作「酔歩する男」、こちらも傑作ですので、ぜひ。

ゴーストハントシリーズ:小野不由美 ★★

 次に紹介するのは、小野不由美さんの「ゴーストハントシリーズ」です。(リンクは1巻目のみ貼っておきます)

 麻衣の通う学校の旧校舎には、取り壊そうとすると祟りがあるという怪奇な噂が絶えない。心霊現象の調査事務所である渋谷サイキックリサーチ(SPR)は、校長からの依頼で旧校舎の調査に来ていた。ひょんなことから彼らの仕事を手伝うことになった麻衣は、偉そうな17歳の所長・渋谷一也と個性的な霊能者たちとともに、旧校舎の謎に迫ることになる・・・。
 私の大好きなシリーズの一つです。全部で7巻出ており、主人公の麻衣とSPRの所長の渋谷一也(通称・ナル)を筆頭に、個性的かつ魅力的な霊能者たちがレギュラーメンバーとして登場し、依頼された怪奇現象の解明と解決に取り組みます。怖い場面も多々ありますが、登場人物たちのキャラの濃さやテンポのよい会話などがその怖さをかなり和らげてくれます。そのため、怖いのが苦手な人でも比較的読みやすいホラーだと思います。ぜひ読んでみてください。

残穢(ざんえ):小野不由美 ★★★

 次に紹介するのは、小野不由美さんの「残穢」です。

 この家は、どこかおかしい――。転居したばかりの部屋で、畳を擦る音、背後には誰かの気配・・・。何の変哲もないマンションで起こる怪奇現象について調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。怨みを伴う死は「穢れ」となり、感染し、拡大する。戦慄のドキュメンタリー・ホラー。
 なんというか、じわじわと忍び寄ってくるような怖さでした。ある怪異が徐々に伝染し、広がっていった過程を遡っていく話で、怖くもありましたが、同時に興味深くもある内容でした。実際に自分の身にも起きそうなリアルさがありました。これから新しい家やマンションに引っ越すときに、ひょっとしたらこの場所にも変な“因縁”があるかも・・・と怖くなってしまうような、そんな作品でした。

リカ:五十嵐貴久 ★★★★★

 次に紹介するのは五十嵐貴久さんの「リカ」です。

 妻子を愛する平凡な42歳の会社員・本間は、出来心ではじめた出会い系で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は恐るべき“怪物”だった。だんだん常軌を逸していくリカのストーキングに追い詰められた本間は、彼女と対決することを決意する。
 私の中では怖さでほぼ伝説となっているサイコ・ホラーです。とにかくこの“リカ”という女が恐ろしい。もはや本当に人間か?と疑うほど化け物じみていて、こんなのに執拗に追い回されるなんて、想像しただけでも身の毛がよだちます。幽霊の方がまだましなんじゃないか、というレベルです。人間の狂気を描いたサイコ・ホラーはけっこうたくさんありますが、私の中では、今のところこれがダントツで怖いかな、と思います。ぜひ読んでみてください。

眼球綺譚:綾辻行人 ★★★★

 次に紹介するのは綾辻行人さんの「眼球綺譚」です。

 ある日、大学の後輩とおぼしき男から郵便が届いた。「読んでください。夜中に、一人で」という手紙とともに、その中にはある地方都市での奇怪な事件を題材にした小説の原稿が・・・表題作「眼球綺譚」他、妖しくも美しい7つのホラーストーリーを収録。
 有名なホラー作家、綾辻行人さんの短編集です。怖さやおぞましさもしっかりありつつも、最も魅力的なのはその独特な世界観です。幻想的で、奇妙で、でもどこか引き込まれる、そんな綾辻さんの世界にどっぷり浸かれる話ばかりで、とても充実した内容になっています。なかでも私の印象に残っている作品は、「再生」「特別料理」「鉄橋」の3つです。ぜひ読んでみてください。(「特別料理」は少し抵抗のある方もあるかもしれません・・・覚悟して読んでください。)

背の眼:道尾秀介 ★★★

 次に紹介するのは、道尾秀介さんの「背の眼」です。

 児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。恐怖に駆られた彼は、霊現象探求所を営む友人真備の元を訪れる。そこが彼が目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込んだ、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも彼ら全員が撮影後数日以内に自殺しているという・・・。
 いまや大衆に知られる作家となった道尾秀介さんのデビュー作です。ホラーとミステリーが上手く掛け合わされていて、どちらかというとミステリーの度合いの方が濃いと思いますが、ホラーとしてもしっかり怖いので、この特集に入れされていただきました。ホラーとミステリー、どっちとして読んでも楽しめる、完成度の高い作品となっています。ぜひ読んでみてください。

夜市:恒川光太郎 ★

 次に紹介するのは恒川光太郎さんの「夜市」です。

 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは代償さえ払えば、望むものが何でも手に入る。小学生の頃に夜市に迷い込んだ裕司は自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。そして、今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れる・・・。
 私の大好きな作品です。ジャンルとしては幻想ホラーなので、怖さは少し控えめで、怖さというよりはその世界観を楽しむタイプのホラーです。世界観のイメージとしては、若干「千と千尋の神隠し」に似ているような気がします。奇妙で不思議でどこか懐かしい・・・そんなこの世ならざる市場の雰囲気と、心を揺さぶるストーリーをぜひお楽しみください。なお、もう一つの収録作、「風の古道」も負けず劣らずの傑作中編なので、ぜひ。

最後の記憶:綾辻行人 ★

 次に紹介するのは綾辻行人さんの「最後の記憶」です。

 脳の病を患い、ほとんど全ての記憶を失いつつある母、千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして子どもたちの悲鳴・・・。この母の記憶の正体を、波多野森吾は探り始めるのだが・・・。
 大好きな綾辻さんの作品の中でも一、二を争うほどに好きな作品です。こちらもさきほどの「夜市」と同様、怖さよりも世界観を楽しむタイプの幻想ホラーです。何だかおかしな世界に迷い込んでいくような、そしてもう二度と帰って来れないかもしれないような、読んでいるとそんな気持ちになります。綾辻さんの世界観をぎゅっと詰め込んだような、幻想的で美しい作品です。

Another:綾辻行人 ★★★

 次に紹介するのは、綾辻行人さんの「Another」です。

 夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎は深まるばかり。そんなとき、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げる・・・。
 一部で伝説のホラーとも呼ばれる作品です。学園ホラーですが、ミステリーの要素もあり、どちらとして読んでもしっかり楽しめます。人がたくさん死ぬので、怖いというよりはグロい・残酷・無慈悲とという印象です。綾辻行人さんの作品は少し癖が強めのものが多いですが、これはそれが少し弱めで、そのため読書初心者でも読みやすい作品となっています。ぜひ読んでみてください。

ついてくるもの:三津田信三 ★★★★★

 最後に紹介するのは、三津田信三さんの「ついてくるもの」です。

 薄気味の悪い男が語る夜毎の恐怖(「夢の家」)、廃屋から人形を持ち帰ってしまった私の身の上に次々と・・・(「ついてくるもの」)、同居人の部屋から聞こえる不気味な音の正体は・・・(「ルームシェアの怪」)。あなたを戦慄の世界へと連れて行く、七つの怪異譚
 本格的なホラー短編集です。題名・表紙だけでも怖そうですが、実際にめちゃめちゃ怖いです。人ならざるものの禍々しさを強く感じてゾッとする話ばかりでした。ページをめくるのが怖い、めくりたくない、と思うほど怖かったです。個人的に怖かったのは「ルームシェアの怪」と「ついてくるもの」で、面白くて印象に残ったのは「八幡藪知らず」でした。

まとめ

 どうだったでしょうか?
 この記事では16のホラー小説を紹介しました。面白そうだな、と思ったものをぜひ、手に取って見てください。怖がりな人でも楽しめそうなホラー小説もいくつか紹介したので、怖さレベル(私基準ですが・・・)も参考にしてみてください。この記事で好みの本が見つかれば、とても嬉しいです。
 では、ここらで。
 良い読書ライフを!

コメント

タイトルとURLをコピーしました