みなさんこんにちは、らくとです。
突然ですが、日本ではアニメが人気ですよね。アニメ好きでなくても知っているようなメジャーなものから、アニメ好きでも知っているとすごい、というようなマニアックなものまで、数え切れないほど多くのアニメがあります。
アニメの多くは漫画を原作としていると思いますが、中には一般小説やライトノベルを原作としているアニメもあります。この記事では、アニメ化された小説・ライトノベルを15作、紹介していきます。
このアニメは見たことあるけど原作は読んでいない、という人はこれを機に原作小説も読んでみてほしいですし、逆にこの小説は読んだことがある、という人は、それがどんな風にアニメ化されたのか、興味が湧いたらアニメを見てみるのもいいかもしれません。
アニメ好き、小説好き、どちらも楽しめる記事になっていると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
涼宮ハルヒシリーズ:谷川流(イラスト:いとうのいぢ)
まず最初に紹介するのは、おそらくアニメ化されたライトノベルの代表格ともいえるでしょう、谷川流さんの「涼宮ハルヒシリーズ」です。(一巻目のみ貼っておきます)
2003年より角川スニーカー文庫から刊行されているシリーズで、2006年より「涼宮ハルヒの憂鬱」という名でアニメ化されて、原作・アニメ共々大ヒットを収めています。2010年には劇場版「涼宮ハルヒの消失」が公開されました。
涼宮ハルヒという少女、そして彼女を中心としたSOS団という部(?)の活躍(?)を描いた「ビミョーに非日常系学園ストーリー」です。しかし、主人公は涼宮ハルヒではなく、SOS団の一員である“ごく普通の男子高校生”、キョン。この二人を含め、出てくるキャラクターがみんな個性的かつ魅力的で、そしてキャッチフレーズ通り、完全な非日常ではなく、日常の中にさりげなく非日常が紛れ込んでいる、その絶妙さが魅力の一つです。
個人的にはキョンと長門有希ちゃんが好きです。ちなみに私が一番好きなエピソードは、映画化もされた、4巻目の「涼宮ハルヒの消失」です。
かがみの孤城:辻村深月
次に紹介するのは、辻村深月さんの「かがみの孤城」です。
2017年に刊行され、本屋大賞も受賞した大ヒット作です。2022年の終わり頃に、同名のアニメ映画が公開されました。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、突然部屋の鏡が光り始める。その輝く鏡面をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうど、こころと同じような境遇の子どもたちが7人、集められていた・・・。
それぞれ何らかの理由で学校から遠ざかっている7人の子どもたちを中心に話が進んでいきます。学校という場所で彼らが抱える苦しみや葛藤、孤独に共感できるという人も多いのではないでしょうか。文章も難しくなく、分厚いですがスラスラ読めて、最後には感動で胸が熱くなります。生きづらさを感じている全ての人の救いになり得る小説です。
あらしのよるに:きむらゆういち
次に紹介するのは、きむらゆういちさんの「あらしのよるに」です。
木村裕一さんによる全7作からなる絵本のシリーズです。(上に貼ってあるリンクはその小説版です。)みなさん読んだことはなくても名前くらいは聞いたことがあるのではないか、というくらい有名な作品だと思います。大好評を受け、小学校の教科書にも掲載されました。2005年、絵本の7エピソードを原作にしたアニメ映画が公開されました。
ある嵐の夜に、雨風を避けるため、一匹のオオカミと一匹のヤギが壊れかけた山小屋の中に逃げ込んだ。真っ暗闇の上、風邪をひいて鼻が利かないため、お互いに「食べるもの」と「食べられるもの」という関係にあることに気付かないまま、二匹の間には友情が芽生え・・・。
オオカミとヤギという、絶対に相容れない立場にある二匹が、葛藤を抱えながらもお互いを信じ、友達であり続けようとする姿は、真の友情とは何かを教えてくれます。「あらしのよるに」という言葉がキーワードになる終盤のシーンは感涙必至です。
Another:綾辻行人
次に紹介するのは、綾辻行人さんの「Another(アナザー)」です。
綾辻さんの代表作ともいえる学園ホラーです。2012年に同名でアニメ化されました。ホラーアニメとしてはそこそこの知名度があると思います。人が次々と、簡単に死んでいく展開から、鬱アニメとして認識している人も多いのではないでしょうか。
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、彼女に対するクラスメイトの奇妙な態度に、謎は深まるばかり。そんなとき、クラス委員長の桜木が凄惨を遂げる。それが悪夢の幕開けだった・・・。
学園ホラーですが、ミステリーの要素もかなり強いです。なぜこんなにも次々と人が死ぬのか、死を止めるにはどうしたらいいのか・・・物語の設定やストーリー展開が最高に面白く、かなり長い物語なのに夢中で一気読みしてしまいます。ストーリーとともに、綾辻さんの作品特有の不気味な世界観や文章表現も楽しめます。ただ、グロい表現や鬱展開が多いので、苦手な人は注意です。
続編として「Another エピソードS」と「Another 2001」も出ていますので、ぜひ。
魍魎の匣:京極夏彦
次に紹介するのは、京極夏彦さんの「魍魎の匣」です。
百鬼夜行シリーズの2作目で、ミステリー界でかなり評価が高く、日本推理作家協会賞を受賞した作品です。2008年に同名でアニメ化されました。
ある夜、中央線武蔵小金井駅のホームから少女が転落し、電車に轢かれてしまう。たまたま居合わせた刑事・木場修太郎は付き添いで病院まで同行するが、そこで女優・美波絹子こと少女の姉である柚木陽子と出会うことになる。少女は治療のため、匣のような形をした謎の研究所へと運ばれる。その約半月後、小説家・関口巽は、雑誌記者の鳥口守彦と中禅寺敦子とともに、前日に発見された少女のバラバラ死体の情報を追って道に迷い、奇妙な、匣のような形の建物に遭遇する・・・。
私がミステリーの中で1,2を争うレベルに好きな作品ですが、物語や事件、登場人物がかなり入り組んでいて、複雑です。また、わりと序盤で長々とした蘊蓄が挟まれるので、根気がなければそこでギブアップしてしまう人もいるかもしれません(現に私もそこで2回ほど挫折しています)。しかし、読み進めるにつれどんどん面白くなり、読み終わったときには余韻から抜け出せないほど虜になっているので、そこで辞めてしまうのはとってももったいないと思います。ぜひぜひ最後まで読んで、衝撃の読書体験をしてほしいです。
なお、この作品は私のブログ記事「【厳選】本を愛する私が選ぶ、最高のミステリー小説16選!」でも紹介しているので、そちらの記事もぜひ読んでみてください♪
【厳選】本を愛する私が選ぶ、最高のミステリー小説16選! | らくとの本棚 (rakutonohondana.com)
ペンギン・ハイウェイ:森見登美彦
次に紹介するのは、森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」です。
第31回のSF大賞を受賞した作品です。2018年にアニメ映画化されました。
小学校4年生のぼくは、もう大人に負けないほどいろんなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくの住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした・・・。
京都の街が舞台でもなく、いつもの森見さん節がすっかりなりを潜めた作品だったので、読み始めたときには珍しいと少し驚きました。しかし、読み終わるとやはり面白く、こういう作品も書けるのだな、とまた一つ森見さんの才能の幅を感じました。頭が良く、向学心の高い小学4年生のぼくが、研究によって街で起こる不思議な事件の謎を解き明かしていきます。賢いけれどときには子どもらしい純粋なところも見せるぼくを微笑ましく見守りながら読みました。いつかこの子が大人になるのだと思うと少し寂しさを感じたりもしました。子どもの世界の広さ、豊かさを感じられる作品でした。
有頂天家族:森見登美彦
次に紹介するのは、同じく森見登美彦さんの「有頂天家族」です。
狸を主人公とした一風変わったファンタジー小説で、2013年にテレビアニメ化されました。
矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け回る。が、家族はみなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつを抜かす。傑作・毛玉ファンタジー!
森見さんの魅力がふんだんに詰まった一冊です。京都に住む狸を主人公に、ちょっぴり不思議で奇想天外な事件の数々を描いています。登場人物(多くは人ではないが)も個性的かつ魅力的で、独特のユーモアに笑いつつ、ふわりと心が温まる描写やほろりと泣けるシーンもあります。そしてとにかく、狸たちがふわふわしていて可愛いです。「面白きことは良きことなり!」というのが矢三郎の口癖で、かつこの物語のモットーでもあると思いますが、その精神を十分に感じました。
森見さんの作品は他にも「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話体系」「四畳半タイムマシンブルース」と、アニメ化されている作品がたくさんありますが、キャラクターが魅力的なこと、次々と奇想天外なことが起こること、世界観が独特なことから、アニメ化したら素敵な作品が多い作家さんなのかな、と思います。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら:岩崎夏海
次に紹介するのは、岩崎夏海さんの「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」です。
「もしドラ」の略称で知られる青春小説です。2011年にテレビアニメ化されました。
高校2年生の川島みなみは、7月の半ばに、病に倒れた親友で幼なじみの宮田夕紀に頼まれ、野球部のマネージャーを務めることになった。彼女は「野球部を甲子園に連れて行く」という目標を立てるが、今の野球部に、激戦区である西東京区を勝ち抜けるような実力は到底なく、部員達の反応は冷めたものであった。しかし諦めないみなみは、マネージャーのことを学ぶために、ドラッカーの『マネジメント』を購入。後にこれが起業家や経営者のための本だったと知るが、この本の内容の多くが野球部の組織作りに応用できることに気付いたみなみは、次第に夢中になっていく・・・。
青春スポーツ×経営術という異例の組み合わせで話題となり大ヒットした作品です。弱小野球部が甲子園を目指す・・・ここまではわりとよくあるお話ですが、その過程である野球部の組織運営に、ドラッカーの経営術を絡めるというその発想はなかなか思いつくものではないと思います。ドラッカーの経営術が絡むといってもそれほど難しい内容ではなく、むしろ分かりやすくて誰でもスラスラ読めます。弱小野球部の逆転劇というストーリーを楽しみつつ、経営術の基礎も手軽に学べるという一石二鳥の一冊です。
ゴーストハントシリーズ(悪霊シリーズ):小野不由美
次に紹介するのは、小野不由美さんの「ゴーストハントシリーズ」です。(一巻目のみ貼っておきます)
元々は1989年から1992年まで講談社X文庫ティーンズハートから「悪霊シリーズ」という名で刊行されていました。そして2010年から2011年にかけて、大幅な改稿のうえ、「ゴーストハント」と改題されて幽BOOKS(メディアファクトリー)より再刊されました。2006年にアニメ化されています。
普通の女子高生・谷山麻衣が、ナルシストの美少年・渋谷一也(ナルというあだ名で呼ばれる)をはじめとする変人揃いの霊能者たちと力を合わせ、心霊現象を調査する事務所「渋谷サイキックリサーチ」に持ち込まれる霊や超常現象の絡む怪事件に挑んでいくシリーズです。全7巻で完結。一冊だけ続編が出ています。
私はシリーズ全て、一夏で一気に読破しました。読み始めたら、もう早く次を読みたくてたまらくなる、そして最後まで読んでしまったら寂しくてロスになってしまう・・・それくらい最高に面白くて魅力的なシリーズです。何が一番の魅力かと言われると、個人的にはキャラクターだと思います。主人公の麻衣以外に、レギュラーメンバーが6,7人いるのですが、全員キャラが立っていて、性格がいいとは言えないのにどこか憎めない魅力的な人たちばかりです。彼らの絆というか、チームワークも見所で、シリーズが終わったときには、もうこの人たちに会えないのかと寂しい気持ちになりました。
そして元々ティーンズハート文庫というライトノベル・少女小説系のレーベルから刊行されていたこともあり、文章も会話が多くて読みやすく、ホラーシリーズではありますが、それほど怖くもグロくもありません。ホラーが苦手な人でもこれなら読めると思います。そしてシリーズを通した大仕掛けもあり、ミステリ-要素も楽しめます。
屍鬼:小野不由美
次に紹介するのは、同じく小野不由美さんの「屍鬼」です。(5巻までありますが、1巻目のみ貼っておきます。)
小野不由美さんのホラー長編です。文庫にして5冊、登場人物も細かいところまで入れると150人を超える超大作です。2010年にアニメ化されました。
人口1300人の小さな村、外場村。外部からは一本の国道しか繋がっておらず、周囲から隔離され、古い因習も未だに残っている。そんな村の山入地区である日、3人の村人が死体で発見された。村で唯一の医者・尾崎敏夫は、そのことに不信感を持つが、村人たちの判断で事件性はないとされ、通常の死として扱われることに。しかし、それを皮切りに村人たちの死が続き、異変は加速していく・・・。
山奥の閉鎖的な村を着々と蝕んでいく恐るべき怪異を描いています。なんていうか、派手に読者を怖がらせてくるようなシーンや描写はあまりないのですが、村で何が起こっているのか、そしてこれから何が起こるのか、それを理解して行くにつれてじわじわと恐怖が浸透していく感じが印象的でした。そして、物語が進んでいくにつれ、人ならぬものの怖さに加えて人間の怖さ、醜さも浮き彫りになり、ただ怖いだけではなく、物語としての深さも感じました。長いので少し読むのに時間がかかるかもしれませんが、はまり始めたら一気読みしてしまうほど面白いので、ぜひ。
なお、この作品は、私のブログ記事「山奥の村を舞台にしたミステリー・ホラー小説10選!」でも紹介していますので、興味のある方はそちらもぜひお読みください♪
山奥の村を舞台にしたミステリー・ホラー小説10選! | らくとの本棚 (rakutonohondana.com)
古典部シリーズ:米澤穂信
次に紹介するのは、米澤穂信さんの「古典部シリーズ」です。(こちらも一巻目のみ貼っておきます。)
ほろ苦い青春ミステリーの代表作として評価の高いシリーズです。「氷菓」というタイトルで2012年にアニメ化されました。青春アニメとしての知名度もかなり高いと思います。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーに生きる省エネ男子・折木奉太郎は、高校で廃部寸前の古典部に入部する。そこで出会ったのは、好奇心旺盛なお嬢様・千反田える。えるの好奇心によって見つけ出されるささいな謎の数々を、古典部の部員たちが解き明かしていく青春ミステリー。
青春ミステリーとしてかなりレベルの高いシリーズです。基本的に、謎は本当にささいなものが多く、どちらかというとミステリーよりも青春要素が強めかと思います。古典部部員は4人いるのですが、一人一人のキャラが立っていて魅力的ですし、シリーズを通した彼らの人間としての成長や関係性の変化も見所の一つです。また、前述したように謎自体はささいなものが多いのですが、その背景にある人々の心情はわりと深く描かれており、高校生が主人公の青春ミステリーですが、大人も十分に楽しめ、考えさせられる内容だと思います。
ちなみにシリーズの中で私が一番好きなのは、短編集ですが、「遠まわりする雛」です。
すべてがFになる:森博嗣
次に紹介するのは、森博嗣さんの「すべてがFになる」です。
理系の本格ミステリーシリーズとして名高いS&Mシリーズの第1巻目であり、森博嗣さんのデビュー作でもあり、第1回のメフィスト賞受賞作でもある有名な作品です。『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』というタイトルで2015年にアニメ化されました。アニメは、ここで紹介する本作「すべてがFになる」に加えて、同じく森博嗣さんのシリーズの一つである『四季』シリーズが原作となっています。
研究室の旅行で、愛知県にある妃真加島(ひまかじま)に向かった国立N大学の助教授の犀川創平とその研究室の面々。そこには、研究室の正式のメンバーではないものの、犀川の恩師の娘である西之園萌絵も参加していた。妃真加島にはその所有者である真賀田家が設立した真賀田研究所があり、そこには現存する最高の天才とも言える真賀田四季博士が、過去に殺人を犯したことにより隔離されていた。そこで起きた恐るべき殺人事件に、犀川・萌絵の師弟コンビが挑む。
犀川・萌絵のコンビが活躍するS&Mシリーズは、私の好きな本格ミステリーシリーズの一つです。何よりもそのミステリーとしての完成度、そして理系のミステリーにも関わらずどこか哲学的な独特の世界観がこのシリーズの魅力です。そして、その中でも特に第1作目である「すべてがFになる」は、天才的な研究者であり、そして天才的な犯罪者でもある真賀田四季博士が絡む事件で、私個人的にはS&MシリーズNo.1の面白さだと思います。ぜひ本作を、そしてそれを始めとして、それ以降のS&Mシリーズも手に取っていただきたいです。
君の膵臓をたべたい:住野よる
次に紹介するのは、住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」です。
2016年頃に日本で爆発的にヒットした、「キミスイ」の略称で知られる青春小説です。元々作者である住野よるさんが「小説家になろう」という小説投稿サイトに投稿したものですが、それが人々の目に留まり、出版されることとなりました。2018年に本作を原作とするアニメ映画が公開されました。
主人公である「僕」は、病院で偶然「共病文庫」というタイトルの本を拾う。それは「僕」のクラスメイトである山内桜良が綴っていた秘密の日記帳だった。そこから「僕」は、桜良が膵臓の病気により、余命がそれほど長くないことを知る。桜良の秘密を知ってしまった「僕」は、桜良が死ぬ前にやりたいことを叶えるのに付き合わされることになるが・・・。
日本の小説界に残るほど話題になった作品です。何だかタイトルだけ見るとホラーっぽいですが、その中身は、爽やかで泣ける青春小説です。ボーイ・ミーツ・ガールものとしてはありふれたストーリーかもしれませんが、それでもやはり泣けます。特に住野よるさんは、この年代の少年少女の心情を描くのが上手いので、よりいっそう登場人物たちに感情移入して、大きく心を動かされます。純粋な涙を流したい、という人や、死ぬこと、そして生きることについて考えたいという人におすすめです。また、ライトノベルに近いので、読書初心者でもかなり読みやすいと思います。
なお、本作は別の記事でも紹介しているので、ぜひこちらの記事も読んでみてください。↓
春に読むべきおすすめの本12選! | らくとの本棚 (rakutonohondana.com)
ハルチカシリーズ:初野晴
次に紹介するのは、初野晴さんの「ハルチカシリーズ」です。(1巻目のみ貼っておきます)
青春ミステリーとしてかなり評価の高いシリーズです。2016年に『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』のタイトルでアニメ化されました。
穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の甲子園・普門館を目指す二人に難題がふりかかる。恋愛、部活、そして日常で起こる様々な事件・・・幼なじみコンビ「ハルチカ」の活躍と成長を描いた青春ミステリーの決定版。
ミステリーとして読んでも青春小説として読んでも十分に面白いです。弱小吹奏楽部が力を合わせて吹奏楽の甲子園・普門館を目指す、という青春部活小説という側面もありつつも、二人が成り行きで挑むことになる事件や謎はけっこう本格的で、ミステリーとしてもレベルが高いです。青春ミステリ小説は他にもたくさんありますが、その中でも特に青春とミステリーのバランスが良く、どちらも楽しめる満足度の高いシリーズだと思います。また、チカとハルタを始めとして、出てくるキャラクターがみんな魅力的で、彼らの掛け合いはどこか漫才やコントじみていて、くすっと笑いながら読めます。ぜひ、謎解きを楽しみつつ、シリーズを通した彼らの努力と夢の行方を見届けてあげてください。
新世界より:貴志祐介
次に紹介するのは、貴志祐介さんの「新世界より」です。
上中下と、文庫にして3冊構成になる超大作のSF小説です。2012年にアニメ化されました。
舞台は、人類が「呪力」と呼ばれる超能力を身につけた、1000年後の日本。注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外に出かけ、そこで、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。禁断の知識を得たことで、早季たちを取り巻く平和は少しずつ崩れて行く・・・。
かなり長い話であることと、あまりSF系が得意ではないことから、長い間読むのを躊躇っていたのですが、いざ読み始めてみると面白くて、一気読みしました。とにかく世界観が壮大で素晴らしく、引き込まれました。一応舞台は日本ですが、今から1000年も時間が経った後なので、もはや異世界のようで、けれどもやはり1000年前の、つまり今私たちが生きているこの日本の名残もところどころあり、少し不思議な気持ちになりながら読み進めました。超能力を手にして、平和の中で暮らす人間たち・・・しかし、その平和の裏には恐るべき秘密が隠されており、やがて・・・ネタバレになってしまうのであまりあらすじは言えませんが、とにかく面白いので、ぜひ読んでみてください!全て読み終わったときには、一時放心状態になるほどの衝撃的な作品でした。ただ、若干グロかったり残酷だったりする描写があるので、苦手な人は注意です。
まとめ
どうでしたか?
この記事では、アニメ化された小説を15冊、紹介しました。アニメを見た人はぜひ、原作となったこれらの小説を読んでみて欲しいですし、小説は読んだけどアニメは見ていないという人は、アニメという別の形でもう一度物語を楽しんでみてはいかがでしょうか。
小説好き、アニメ好き、どちらの人のためにもなる記事になっていればいいな、と思います。
ではここらで。
良い読書ライフを!
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